戸籍謄本に息子が載ってない!?

夫が亡くなったので戸籍謄本を取ったのですが、息子が載っていません。どうしてなのでしょうか?

それは恐らく戸籍の改製前に婚姻されたことが理由かと思います。

平成13年から20年代後半までの間に各自治体は戸籍を電算化(コンピュータによる管理)を始めました。電算化によって次のことが変わりました。

  • 書式がB4縦書きからA4横書きになった。
  • 戸籍謄本は「全部事項証明書」、戸籍抄本は「個人事項証明書」になった。
  • 用紙は再生紙から改ざん防止用紙になり、公印も朱肉印から黒色の電子印になった。
  • 戸籍の文字は辞書に載っている「正字」になり、手書きではなくなった。
  • 電算化後の新しい戸籍には、婚姻や死亡などによってすでに戸籍から除かれている方は記載されなくなった。

特に、ご質問者の場合は、最後の太文字にあるように電算化前に結婚して除籍となったため、電算化後の新しい戸籍では記載がないということが「結婚した息子さんが戸籍に載っていない」ということの理由ではないかと思います。

正しい情報を知るためには、それ以前の戸籍(改製原戸籍=かいせいはらこせき・かいせいげんこせき)や除籍謄本を取得することが必要となります。

なお、電算化に伴い戸籍の改製により、以前の縦書きの戸籍は「平成改製原戸籍」として150年間保存されることになっています。現在の戸籍(亡くなった方の最後の戸籍)は1通450円で取得できますが、それ以前の戸籍、例えば「平成改製原戸籍」や除籍謄本は1通750円です。戸籍はもともと本籍地の市町村でしか取得することができないため、本籍地が現在お住まいの市町村とは異なる場合、各市町村に郵送で請求することで取り寄せることができます。

参考までに当事務所の所在地である札幌市では、平成13年(2001年)から段階的に戸籍事務のコンピュータ化を行い、平成15年(2003年)3月から全区の戸籍事務がコンピュータ化されました。