遺言書があるときの相続はどうなるの?

相続が発生した場合、相続人全員で遺産分割協議を行い、全員の同意のもとで相続手続きを行います。相続人が二人だけとか、少ない人数であればさほど大変ではないのでしょうが、相続人の人数が多いと遺産分割協議や相続手続きは煩雑で時間もかかってしまいます。

でも、もし遺言書があれば遺産分割協議を行わずに遺言書に書かれている通りに相続することが可能になります。当然、手続きも簡略化することができます。

この「遺言書」があれば、相続人間で行う遺産分割協議よりも遺言書のほうが優先されますので、協議の必要はないわけです。かつ、被相続人(亡くなった方)の気持ちを尊重することにもなります。銀行などにおいても、法律上は預金の名義変更や解約手続きも相続人全員の同意を得る必要もなく行うことが可能になります。

では、遺言書があれば、絶対にそこに記載されているとおりに相続しなければならないのでしょうか。いいえ、決してそのようなことはありません。遺言書があっても、相続人全員の同意があれば、遺言書ではなく相続人間で遺産分割協議を行い、そこで決めたとおりに分割することも可能になります。

たとえば、「遺言書」には「全財産は末の子に〜」と書かれていた場合でも、相続人全員(末の子も含めて)で「さすがにそれはちょっとやり過ぎ。みんなで法定相続分でわけましょう」と合意が得られれば、遺言書通りに分割しなくてよいということです。