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交通事故による膝のケガによる後遺症・後遺障害認定のポイントとは?

下肢の後遺障害は、骨折や脱臼、神経の損傷に伴って発症します。

下肢は、股関節・膝関節・足関節の3つの関節で構成されており、股関節から膝関節までを「大腿(だいたい)」といいます。また膝関節から足関節までは「下腿(かたい)」といいます。「下腿」には脛骨(けいこつ)と腓骨(ひこつ)という2本の長管骨(ちょうかんこつ)が通っています。

下肢のケガで後遺障害の対象となり得る傷病名の例

 

膝を含む下肢の骨折によって後遺障害等級が認定されるケースは?

では、下肢(股関節・膝関節・足関節)がどんな状態の場合に後遺障害が認定されるのでしょうか。そしてそれぞれ何級に認定される可能性があるのでしょうか。順番に解説していきます。

交通事故によって膝関節への直接的な外傷や周辺部を損傷すると、動きが制限されたり痛みが残ったりすることがあります。しかし、膝関節は複雑な構造をしているため、損傷が見逃されることもあり、そのために障害等級が低く評価されてしまうケースも見受けられます。

関節の機能障害以外にも、切断によって足の指や脚を失ったり、骨折部分が変形して癒合したりする障害も起こり得ます。

また、欠損障害や機能障害に該当しない場合でも、それに伴う痛みなどの神経症状が残存する場合には、第12級13号または第14級9号に認定される可能性があります。

下記の通り、下肢の欠損障害や機能障害の場合、症状によって等級が異なります。

下肢の欠損障害

両下肢をひざ関節以上で失ったもの 第1級5号
両下肢を足関節以上で失ったもの 第2級4号
1下肢をひざ関節以上で失ったもの 第4級5号
両足をリスフラン関節以上で失ったもの 第4級7号
1下肢を足関節以上で失ったもの 第5級5号
1足をリスフラン関節以上で失ったもの 第7級8号

下肢の機能障害

「全廃したもの」とは、健側(ケガをしていないほう)と比べて、患側(ケガをしたほう)の運動可能領域が10%以内に制限されている、股・膝・足関節の完全麻痺、またはこれに近い状態で足や指に障害が加わるものを指しています。

「関節の用を廃したもの」とは、関節の完全強直またはこれに近い状態にあるもの、神経麻痺等により自動運動不能またはこれに近い状態にあるものを指します。

「関節の機能に著しい障害を残すもの」とは、健側と比べて患側の可動域が2分の1以下に制限されているものを指します。

「関節の機能に障害を残すもの」とは、健側に比して患側の可動域が4分の3以下に制限されているものを指します。

両下肢の用を全廃したもの 第1級6号
1下肢の用を全廃したもの 第5級7号
1下肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの 第6級7号
1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの 第8級7号
1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの 第10級11号
1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの 第12級7号

下肢の変形障害

1下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの 第7級10号
1下肢に偽関節を残すもの 第8級9号
長管骨に変形を残すもの 第12級8号

下肢の短縮障害

1下肢を5センチメートル以上短縮したもの 第8級5号
1下肢を3センチメートル以上短縮したもの 第10級8号
1下肢を1センチメートル以上短縮したもの 第13級8号

いつ後遺障害診断書を書いてもらうのか?

さて、医師には上記の症状が残っていることを後遺障害診断書に記入してもらうことになるのですが、いつそれを行なったらよいのでしょうか?

症状固定になる時期

後遺障害診断書を記入してもらうタイミングは「症状固定」となる時期です。つまりそれは「同じ治療を続けてもそれ以上は治療の効果が期待できない、治療をやめても悪化が考えられない段階」を指します。そして、それは「受傷から(大抵は「治療開始から」)6ヶ月が経過した段階」といえるでしょう。

  • この記事を書いた人

工藤 正幸(行政書士)

行政書士さっぽろ総合調査代表 行政書士・2級FP技能士
ポリシーは、「誠実・正直・一生懸命」。

北海道行政書士会・行政書士会札幌支部で10年間 会報を制作していた経験と知見を活かし、現在、「みんなの記事監修」にて専門家として登録中。

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